
発声の訓練をする亜也。
亜也は懸命にリハビリを行っていた。
水野は瑞生たちに亜也の病状を説明する。
「構音障害がかなり進行しています。
咽の筋肉や声帯がうまく働かないので、嚥下障害も起きやすい。」
「はい。」潮香は不安な表情で返事をする。
「食事にも毎回注意が必要ですし、何かに掴まらないと歩行も困難です。
転倒の危険も増してます。
現在の症状を考えると亜也さんが養護学校を卒業した後の進学や就職は・・・、やはり難しいと思います。」
「・・・・」
「無理に社会に出ないで、在宅でご家族に見守られながらリハビリに励むことを考えられてはいかがでしょうか。」
「確かに、その方が俺達も安心です。」
「・・・ええ。」戸惑う潮香。
『とうとう、卒業の時が来た。
病気になる前に、思い描いていたものとは違う卒業だった・・・・』
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